競売になっても,価格が大幅に安くなることはありません

 競売になると売却価格が低額になると考えられています。

 よって,持分を買い取る方は,時価より低い金額で持分を買い取ろうとし,持分を売る方はそれを甘んじて受けざるを得ない,と考えることが多いです。

 しかし,後述の通り,近年,競売情報サイトが用意され法律の整備も進み,また,不動産の売り物件が少なくなっていることから,必ずしもそのようなケースは減少しており,持分を売却する方はこの点を交渉材料として,持分を購入しようとしている相手方と粘り強く交渉することが可能です。

 現在,不動産競売情報サイトBITというものがあります。このサイトは,最高裁判所から委託を受けて株式会社NTTデータが運営しています。

 このサイトでは,裁判所の不動産競売物件を検索し,電子化された物件明細書,現況調査報告書,評価書(3点セット)の各情報を利用者が自由にダウンロードして閲覧することができます。

 これらの情報があると,物件の状況が把握できますので,容易に競売に参加できるようになります。

 また,法制度として短期賃貸借の保護制度が無くなりました。

 短期賃貸借契約とは,土地については5年,建物については3年以内の契約期間で行う契約のことです(民法602条)。そして,平成16年3月31日までは,抵当権が設定された物件でも収益の機会を守るため,抵当権が設定された後に短期賃貸借を結び,引渡しを受けた賃借人は,建物が競売されても契約期間満了まで使用を継続することができました。

 しかし,実際には賃貸借の実態がない,短期賃貸借を仮装し,多額の敷金の返還を求めるものや,高額の立ち退き料を要求するなど,短期賃貸借制度を悪用して抵当権者の執行を妨害するケースが生じていました。

 そこで,平成16年4月1日に民法が改正され,この短期賃貸借保護制度が廃止されました。

 ただ,現実の賃借人が突然の退去を迫られても困ることから,建物が競売された場合,建物に抵当権が設定された後に賃貸借契約を結んだ賃借人については,6ヶ月間の明渡し猶予期間をもって退去・明け渡しとなります。

 これらの整備が進んだ結果,競売価格が実勢価格に近接してきていると言われています。